「…笑美ちゃん。これから、笑美ちゃんにとって、残酷な話をするよ?」


そう言った和くんは、わたしじゃなくて和くんの方が辛いんじゃないかってぐらい、顔を歪めていた。


「…笑美、」


大丈夫、優くんが隣にいてくれてるから。


-ギュッ


こうやって、手を握ってくれているから。


今のわたしは、まだ、皆を笑顔で安心させることは出来ないけど、


「だいじょうぶ、だよ。」


「無理しなくていいのよ?笑美ちゃん。」


「大丈夫、優くんが、いるもん。」


「そうか。…あのね、笑美ちゃん。笑美ちゃんは、おばあちゃん死んじゃって、一人になったでしょ。」


「っうん…。」


人に言われると、嫌でも突きつけられる。


‘もうこの世には、おばあちゃんはいないんだ’って。


「それに、笑美ちゃんには病気の事がある。」


「…うん。」