君と過ごした日

「笑美ちゃん、おばあちゃんに、声をかけてあげて?」


「…。」


「笑美、」


「声をかけるって、どうして?」


「…え?」


「ねえ、和くん、何でおばあちゃんは寝てるだけなのに、声をかけないといけないの?」


「何、言って、」


「おばあちゃん、冗談やめてよ。わたしを驚かそうとしてるんだよね?充分驚いたからさ、いい加減起きてよ。」


「笑美ちゃん、」


「優くん、おかしいよ。何でおばあちゃん冷たいの?寝てるだけなんでしょ?何でこんなに冷たくなってるの?」


「笑美っ、」


「おばあちゃん、いい加減にしてよ。そろそろ怒るよ?ねえ、」


「笑美ちゃん!」


「やめてよ!」


「っ笑美、落ち着け。」


落ち着いてる、頭は、充分なくらい落ち着いてる。


「分かってるよ!頭ではちゃんと理解してる!でも心がついて行かないの!何でおばあちゃんが死んじゃうの?!」


わたしが、あの日無理矢理にでも海に行くようにしてたらこんな事にはならなかったのかな。


「おばあちゃんまでわたしを置いていくの?!なんでみんな、わたしを一人にするの!」