────────────
それからのことは、あまり覚えてない。
和くんの車に乗って、病院に向かってるってことは、理解してた。
でも、おばあちゃんが事故にあったなんて信じられなくて。
わたしは、震える体を、優くんに抱きしめられていた。
病院に着いて、頭は何だか冷静だった。
それでも、足元はグラグラしていて。
少しでもバランスを崩せば、崩れるんじゃないかって状態だった。
そんなわたしを、優くんはずっと支えてくれていた。
だから、わたしはなんとか立てていた。
優くんに支えられて、俯いて、歩いていた。
いや、走っていたのかもしれないけど。
そんな事も分からないくらい、時間が進むのがゆっくりだった。
そのうち、何処かの部屋に入って、わたしの主治医の先生に会った。


