目的地に着き、わんこから降りると、さっきまでいたわんこがいなくなった。

「あれ?あれ?」

私はキョロキョロしてると、

「わんこなら、ここだ。」

ヤノウくんが指をさす方向を見ると、ヤノウくんの肩にのっていた。

「わんちゃん、かわいい。でも、どうして?」

「さすがに大きいのはだめだろ。だから、これは言わば変身だ。」

納得できた。


町に入ると、様子が変だった。



「人が…いませんね。」

「あぁ。変だな。噂ではここはにぎやかなはず。」

「そうなんですか?」

「ここは愛の城とその城下町だ。だから、人がたくさんいるはずなんだけど。」

「でたらめなのかな?」

わんこが喋る。声の変化はなさそうだ。

「かも…しれねーな。噂のほうが。」

「宿を探しますか?」

「そうだな。」