私はハッとした。

全然知らないところにいたからだ。

しかも、目の前にいるのも知らない人。

私は、以前の記憶がすぐ蘇り、後ずさりした。


「俺の魔法を自ら消すとは……」

ま、魔法?!

今までされたのは催眠術くらいだ。だから、拒めなかったんだ。

体が震える中、私は勇気を振り絞り、

「ここはどこですか?」

「そんな警戒しない。ここはライブンだ。」


なんとなく、安心した。別の場所だったらどうしようと思っていたからだ。



続けて、

「ここにいる、すべての人を解放してください!!」

「そんなことが言いたかったわけ?」

「そうです!」

足がガクガクする。立つのもやっとだ。

「正義感が強いねー。でも、心配しないで。もう一回君の脳を支配するから………」


獣のような、すごく怖い。


「じ、自分の欲を満たすために、使わないでください!みんな家族がいるんです!!」

「いちいちうるせーなぁー。黙れよっっ!!!!!!!!!」

地面に叩きつける。

そう……彼は前の雇い主たちに似ていた。物凄く怖い……。

もう声もなにも出ない。
支配……されるんだ!

拳を振りかざせす。


目をギュッと閉じた。