「つーかごめん先輩
すぐに戻ろうとしたんだけど
ずっとあいつに足止め食らっててさ」


「あー…うん、大丈夫」


「てか今日キャプテンいないのに
ずっと抜けてて大丈夫なの?」


「今は崎本くんに代理してもらってる
たぶんいまの時間帯くらいだと…」


「つーか先輩、なんで俺のとこ来たの?」


「や、えっとそれは……」


「居場所まですぐわかったっつー事は
もしかしてちょっと気になってたとか?」


「いやそれは…さっきの子が毎回
体育館に来るから分かっただけであって…」


しどろもどろになっている先輩も
目が泳ぎまくる先輩も
そんでもって、ちょっと赤くなった頬も
その全部が愛おしくてたまらない
それを見たくてわざと困らせる俺は
とんでもなく性格悪いと我ながら思う