アイドルなんて、なりたくない<font color=

「当たり前だ」

当然のように答える。

紫は、

「そう言えば、お父様は今だに優衣が出演したドラマの録画を観ていますものね」

言った後にクスクスと笑う。

慎吾は、顔をしかめて

「紫」

娘をたしなめる。

紫は笑ったまま

「事実なのですから、仕方がないでしょう。お父様の優衣への溺愛ぶりは」

と言う。

慎吾は黙ったまま、しかめた顔をしている。

「では、私も電子光学部門への指示をしてまいります」

紫は、一礼して屋敷の中へと戻って行く。

慎吾は、背もたれにもたれてから

「ふぅぅ」

と息をつく。

そして空を仰ぎながら

「撫子、君の曾孫は、大きくなった。しかし、まだ私を迎えには来てくれないのか?こんな老いぼれに、まだ何が出来ると言うのか?」