全ては忘れ物から


「ハア…ハア…なんとか間に合った…」


「あっ架奈!意外と早かったじゃん。ちゃんと借りてこれた?」


「うん!優しい男子さんが貸してくれたんだ。」


「男子にか。男子の誰に借りたの?」


「…そういえば名前分かんない。」


「返す時にでも聞けば?」


「それいいかも!」


「先生来たから私戻るね。」


「うん。」


理科は女の先生で名前が佐藤秋子(さとうあきこ)。


美人な先生だけど怒ると凄く怖いんです…。


だから教科書忘れてたら居残り間違いなし。


優しい男子さんに借りれて本当に感謝です。


あの男子は性格もいいし顔も整ってるからモテるんだろうな。


「大友さんここ解いてください。」


ヤバイ。


問題の内容聞いてなかった…。


「分かりません…」


「次は当てられても分かるようにしてくださいね?」



「はい…」


皆の前で怒られると余計恥ずかしい…。


「これで3時間目終わります。」


「ありがとうございましたー」


授業が終わると一斉に立ち上がりザワつき始めた。


「架奈が問題分かんないとか珍しいねー?」


筆箱にしまっていると莉子ちゃんが近づいてきた。


「ちょっと考え事してて…」


「もしかして例の男子のこと?」


なんで分かるの!?!?


私って意外と分かりやすい!?


「なんで分かったのー!?」


「長く居るんだもん。そりゃあ分かるよ(笑)」


「そうだよね(笑)莉子ちゃんは私のお姉さん的存在だし。」


「その男子に興味でも持ったの?」


「いやっ。興味って言うか優しいなって思っただけで。」


「まぁー優しいかもしれないけどそうゆう人って裏あるかもよ?」


「裏?」


「私の予想だけど表では優しい裏では怖いとかさ。」


裏では怖い……。


意外と莉子ちゃんって人を見分ける力あるんだよね。


「そうなのかな?」


「分かんないけど、一旦返してきたら?」


「うん。返してくる!」