その日も俺は平塚と帰路を共にしていた。




一応Suicaはある寂れた駅。




それが高校からの最寄駅だ。




そこに到着すると桃菜がベンチに座っていた。




困ったような顔でカバンをごそごそしていた。




平塚「桃菜、何か探し物?」




桃菜「ケータイが見当たらなくて(汗)」




平塚「まじ?学校じゃん?」




桃菜「途中で電話したからあるはずなんだけど....」




俺「え、じゃあ道に落としたとか?」




平塚「それやばくないか?」




桃菜「だよね。どうしよう....」




俺「とりあえず、携帯会社に電話して止めてもらったら?」




桃菜「そうだね....」




そういうと桃菜がブレザーのポケットに手を入れた。




そしてそこからあろうことか携帯を取り出した。




俺、平塚「....」




桃菜「えーっと、携帯会社の番号は....」




平塚「ちょっと待て、桃菜」




桃菜「え、何?」




平塚「お前の手にあるものをよく見てみろ」




桃菜「ん?あー!携帯!」




衝撃的な瞬間だった。




こいつはアホだとこの日初めて思った。