【柚來side】
「わっ!すごいラッ…」
すごいラッパーいそうなカフェって思わず言いそうでした。
今あたしがいるのは颯のバイト先のカフェです。
颯の家族はシングルマザーだから颯がお母さんに親孝行してバイトで生活費とかを貯めてるんだよね、きっと。
にしてもほんと…ここ天国です。
「すごい所だね…」
直谷くんは若干ビビってる。
怖がることないよ。
まあでも直谷くんにとったらこの世界は未知すぎて怖いかもしれない。
だけど慣れたら全然普通だよ。
「颯こういうの趣味なの!?」
「まぁ…。てかどっか座ってて…俺バイトするから」
そっか!颯ここでバイトしてるんだ!
いいな〜。
バイト中天国気分だよな。
バイトってすごく大変そうだけどここでバイトしたら楽しいだろうな。
ダーツもあるしビリヤードもあるし。
バイト中はビリヤードとかしちゃダメだと思うけどすごくアメリカンなカフェ。
は!
この曲はシューノンの曲じゃないか!
シューノンの曲流れてるところでバイトってやば!やっぱり幸せだろうなぁ。
ふとカウンターに立ってる颯と目が合う。
まさか颯は…
あたしがいるからシューノンの曲を流してくれたのか!?
って自惚れは気持ち悪いと思いつつも嬉しがる自分がいる。
いっぽう颯はバイトの男性と話していた。
バイト中におしゃべりとかシューノンについて語ってるのかな〜。
それなら仲間に入れてほしいな。
そんなことを思いながらあたしはカウンターに座る。
挙動不審な直谷くんと翼はあたしに、ついてきて同じくカウンターへ座る。
そして松本くんはというと好奇心旺盛なのかダーツをしている。