ー現在ー




「ふっ、悠斗ちゃん……会いたいな……」


目の前が涙で霞んだ



それを誤魔化すようにお酒を一気飲みしてみた




こう、思い返してみても、あの少年の記憶は戻ってきていない

顔は覚えている、あの顔だけは。



ただ、言葉は思い出せても声は思い出せなかった

アイツの雰囲気などは、うっすらとだが覚えている




でも、もうあいつも覚えてないこと

秋の話に聞けば、同じように忘れているようで、憎しみはあれど恐怖は感じてはいなかった