そんな、日向に気付かず仲良しこよしをしていた俺


秋は鋭いからなにかを感じ、俺への過度なスキンシップは一旦辞めていた




ただ、俺からの過度なスキンシップは悠斗ちゃんに続いていた

それに答えてくれた悠斗ちゃんに、日向の憎悪が向けられているとも気づかずに……












とってもあつい、夏休み1日目
昨日終業式が終わってばっかりだった


「悠斗ちゃん、悠斗ちゃん!!
今日は悠斗ちゃん泊まってくれる?
僕、まだまだ悠斗ちゃんと一緒に居たいよ!!」

「んー、ごめんな
ちょっと忙してくて」



日の前とか気にせず、悠斗ちゃんにベッタリしていた俺

小学五年生、上級生になった俺はまだまだ悠斗ちゃんに甘えていた



もし、あの時の日向の顔に気づけたら少しは何かが変わっていたかもしれない



「じゃあ、僕が泊まっていい?優くん」

「日向くんが?
嬉しいけど、悠斗ちゃんにも泊まっていって欲しいの!!」

「もー、そんな事言ったら日向くんが可哀想だろう」

「ぅ、日向くんごめんね?」

「んーん、いいよ」



少し悠斗ちゃんにきつく叱られ、悲しくなる


日向があの時、どんな顔で、どんな目で悠斗ちゃんを見ていたと気づかない俺は最後の引き金を引いてしまう



「悠斗ちゃん無理なの?
そんなに無理なんだったら僕が悠斗ちゃんのとこに行くー!」

「ちょっ、そしたら今日のお泊まりはどうするんだよ」

「うぅ、日向くんより悠斗ちゃんと、寝たいもんー」

「ゆーうー、それはいけないだろう
わかったよ、じゃあ俺も泊まるよ」



やれやれとため息をつきながらも、頭をなでてくれた悠斗ちゃん


俺には泊まってくれるという嬉しさしかなく、日向より悠斗ちゃんをとった俺を悲しそうに見つめる日向にも、そんな日向の心が壊れた音も聞こえず……



あの事件が起こった