「悠斗ちゃん!久しぶり!!!」

「おお!でっかくなったなー、優!!」



元気よく抱きつきに行く小学四年生の俺



まだ、この頃は悠斗ちゃんも、元気だった



自分よりも12歳上の、悠斗ちゃん

立派な自分の目標だった




俺と秋は幼なじみ

実はここにもう1人居たんだ




そいつの名前は向井 日向(ムカイ ヒタナ)というらしい
俺と秋と同い年の日向

俺はこの日向という奴の記憶はない


事件の原因はこいつだが、あまりのショックに消えているらしい




この日向という少年の家に問題があった

悠斗ちゃんが壊れることになった、原因が





日向の家は、育児放棄が激しく日向はなよっとしていていつも傷だらけだったらしい

特に貧しいなどは聞かないが、母親と父親は見た事がなく、どうやら親戚の方が金だけをもらい最低限の面倒を見ているようだった


でも、そんな日向でも俺や秋といる時はとても楽しそうだったようで

特に、俺といる時はいつも溢れんばかりの笑顔を向けていたようだ




母さんにも姉ちゃんにも可愛がられていた日向は、密かにうちの子にしないか?という話が出てきていたほど


ただ、いつも反対するのは悠斗ちゃんだった

あの時はどうしてか分からなかったが、今になれば理由が分かった



日向はずっと愛されず育ってきた

学校にもあまり来ず、来てもいつも別の教室にいる



大人になるための何かが欠けて育ったような日菜はどこか歪んでいたんだ