あれから水輝達と話してるとすぐ入学式が終わり、今は教室で解散の合図を待っているところ


ちなみに、席は後ろから2番目の一番左

隣には秋がいて、前と後ろを3バカに囲まれた

そのせいか、秋は不機嫌になっていた


「優…こいつらなんなの?」


心なし、げっそりとした顔をしている秋
この3バカが騒がしいからだろう


「んー…3バカ?なんかね、入学式暇やから話しかけたらこうなった」

「バカ野郎…」


心の底からのバカを頂いた


あれか、入学式に話したのがいけなかったのかな

真面目に過ごせる子では無かったのだよ


「優ちーん、そこの隣のイケメンさん紹介してーやぁ!」


俺を優ちんと呼ぶのは海深
秋のことが気になるらしい


「はぁ…、こいつは秋。俺のお嫁さんだから盗んなよ!!」


ギリっと、身を乗り出してきた海深を睨みつけ言い放つ

ちなみにコイツだけ後ろに座ってきた

ぼっちおつーだ。



「そうそう、俺優に嫁ぐの決まってるの。
だから、優を盗らないでね?」


ギュッと抱きしめてきた秋

秋さん?なんで俺をギュッと抱きしめとんのんですか

すごく、雲丹に見られてるんですけど


「優ちゃ~ん?俺のなんだから、浮気はいけね〜よ?」

「おいこら、雲丹。誰がお前のもんだ。」


飽きもせず色気を振りまく雲丹を蹴散らす
しかも俺を優ちゃんとまで呼びやがる

お前のものになった覚えはねぇよ

いらんこと言うから、秋から黒いオーラ出てんじゃねぇか



「優…この変態たらし誰?」

「九十九雲丹だって。可愛い子が好きらしい
あと、美人が野瑞水輝。関西弁は海崎海深。水輝が1番マシだよ」


抱きしめる力を強めた秋に説明する


つか、冷静に説明したけど…なにこの状況!?

訳わからん…



俺は秋に抱き抱えられ、秋は俺をギュッとしながら威嚇するし、3バカは対抗しようと頑張っている



担任の解散の一言を待つはずがカオスなことになってるよ!!!!!!!!























ん?………………あれ?

ふと静かなことに気がつく

なんだか、静かだなって思い教室を見渡すと、誰も居ない…



え、もしかして解散した!?

いつの間に…?!


先生の声もクラスメートが出ていく音も聞こえなかったよ?!

ぼーっとしすぎだよ、自分!


「…ねぇ、俺さそろそろ帰るね?
秋、一緒んところだよね?帰ろー」


いい加減疲れてきたし、帰って良さ気なので秋を引っ張る


俺たち学生は、寮の部屋を自分で決めれる
ランダムでもいいらしいけど、大体自分で選ぶ

3人一組か、2人一組のどちらかで部屋を組む

俺はもちろん、秋と同じ部屋にした


「えぇー、優ちん帰んねんやったら俺も帰るわー」

「じゃあ、俺も帰りましょ〜かね?」

「俺も帰ろ」


まるで俺について帰るのが当たり前みたいに3バカも一緒に立ち上がる


待って。なんでこいつら着いてくんの?

離れるための口実だっつうのに…

まぁ、ついてくんなら良いけどさ…
実はこんな風に悪態つくも、ほんとは少し嬉しい気持ちもあるし



こんな風に引っ付いてきてくれるのは、秋だけだったから
むしろ、いつもの悪態つく癖のせいで嫌われてたしなー



「優…良かったな
ちょっと、うるさ過ぎるけど」


秋が優しく微笑みながら俺に笑いかけた

なんだかんだ言いつつ、秋も俺に友達ができたようで安心したようだ

秋は、凄く優しいから




だから、秋が大好きなんだと、にやけながら寮に向かった