「優、どしたの?」



どうやら、気付かないように気を使ってたせいで逆に秋に気づかれた



「んー、なんか後ろがうるさい気がしてさー」



ずっと気になってることを告げると少し空気が固まった



「そ、それは気のせいちゃうかなー?
ほら、休み時間終わりそうってこともあるやろうしな!」

「だね~
みんな、テンションあがっちゃってんのよ~」

「うんうん、そんな気にすることでもないよ」

「そうだよ、優」



え、なにみんなして俺を後ろ見て欲しくないの?


海深なんか焦りすぎて噛んでるぞ…

雲丹も珍しく焦ってるし
水輝と秋もじゃん?


これはなんかあるだろう……



じーっと、疑いの眼差しを4人に向ける
それより、後ろ向いた方がはやいか?


みんなの隙をみて後ろをバッと振り返ろうと考えていた



「もー、優ちんそんな目でみやんとってー
なんか、買ったげるから!」

「おっ、それいいじゃねぇの~」



海深と雲丹が俺の気をどうしてもそらしたいらしいのだが、俺は逆にこの2人の隙を探る


ぶっちゃけ、秋も水輝も気にしてはいないのだ

ただ、この2人はほっとくとめんどくさそう…
俺の第六感が告げている



「ほらほら、優ちんあそこあそこ!」

「そうよ~あれあれ~」



どうしても気を引きたくて、後ろを指さした瞬間。

隙ができた


バッ、と振り向くと、目の前には唖然とする光景が広がっていた



黄色い声をあげながら、突進していくチワワと、そのチワワ達に囲まれながらも、ギリギリに触れていない距離を保つイケメン五人衆


その五人衆は着々と二階に近づいていっているところを見ると、おそらく生徒会だろう。



「あっ、優ちん!?」

「ちょっ、やめなさいよ~」



2人の驚きと落胆の入り交じった声が聞こえた

既に秋は、俺の表情で察し諦めた様子

水輝はどこかに気が飛んでから戻ってきてない



ふふふ、こんな4人の隙をつくにど赤子の手をひねるようだわ



「てか、あれが隠したかったもの?」



あんなイケメン隠したかったの?


え、でも俺だっていくら王道でも、きやーって騒がねぇぞ?

はしゃいで、突進しないからね?



「はぁー…隠したかったんは生徒会やなくて、優ちんね」

「たくっ…あのメンバーは何が起こるか分かんないのよ~」



え、なんなの。ホントに。



俺なんか平凡総受けでも、無自覚に可愛いとか女顔とかじゃないよ?


どこにでもいそーな。
嘘、ちょっと整ってると思いたい

でも、可愛くはないと思うがな………


はっ!それか、あれかな。

この3人と生徒会に因縁があって関わんなーみたいな?


それなら、無駄な心配だよねー

俺ってば、人見知りなんだな!