ガラッ



「あらたっ!!!
優が首締められた」

「はぁ!?
どうゆうことだ」

「あの転校生だよ
やっぱあいつ向井だっ」

「チッ」



急いで新に事情を説明する


荒かった優の息も落ち着きだして、俺も落ち着いてくる



今はただ眠ってるようだ



「優は…いけそうだな」

「うん、多分今は気を失ったまま寝てるんだと思う 」




心配そうに見る新は傍から見れば、優の事を愛してやまなさそうだけど本当は知ってる

新の好きな人が、優の姉貴の優香さんってこと



それでも、優の事も大好きなんだろうなって知ってるから少し嫉妬するのは、許して欲しい




「なぁ、優ちん大丈夫なん?」

「ぁ?あぁ、大丈夫
今は寝てるだけ」

「良かったー
これで優ちんになんかあったらあいつ殺してた… 」

「わかるわ〜
どうしてやりましょうかね〜?」




海深も雲丹も心底安心したのかほっと、息を吐いた

水輝は生きてる温もりを感じるかのように、優を抱きしめてる



ちなみに、後ろから着いてきていた生徒会はなぜ俺と新が親しいのか疑問に思ってるようで、保健室の入口から顔をのぞかせているだけだ




「あの、生徒会長」

「ん?なに?三春くんは無事?」

「ぁ、優は無事です
てか、入ってきたらどうですか」

「んー、君達は俺達を許してくれる?」



どうやら、一瞬でも向井といた事に罪悪感を感じてるのか申し訳なさそうにごめんなさいと言われた

でも、優の態度を見る限り怒ってはいなさそうだったけど…




「たぶん、優は許してると思いますよ
サボった分の仕事をしっかりすれば」

「うん、それはわかってる
仕事はしてたんだけど、追いつかなくてね

それよりも、あの転校生を教室に行こうって誘ったのは俺達だったから




古桜くん達には申し訳ないことをした」



1番の常識人なのか、生徒会長は礼儀正しい

俺達に謝るより優に謝れと言いたいところだが、優は眠ってる



だから、俺達に謝っているのだろう



「いえ、俺達も話を聞く限りあのマリモがいれば仕事はしにくかったと思います
俺達は生徒会には怒っていないので

あとでもう一度優にきちんと説明してあげてください」

「うん、わかった」

「じゃあ、入ってきてくださいよ」



いつまでも、申し訳なさそうに保健室の外で待つ生徒会達は捨てられた子犬のようでいたたまれなくなる

水輝達も特に反論はしないんだから、許してはいるのだろう



新も何か言いたげだが、特に突っかかっていく程ではないので良かった