3年間通った高校を卒業して約1週間が経った今日、あたし、時原花奈(ときはらはな)は見慣れない海辺を眺めていた。 エメラルドグリーンの海。 果てしなく続く沿岸線。 波に色づく砂浜。 全く違うはずなのに、あたしの大好きな気仙沼の海を思い出す。 思い出の全てが詰まった、あの海を。 君を連れて行ってしまった、あの海を。