ずっと俯いているといきなりふわっと包み込まれた感覚があった。


「…へ?!」

私はびっくりして抜け出そうとする。
でも、男の人にはやはり敵わない。

「…待っててくれて、ありがと。」


耳元でそう呟かれた。
とても優しい声で。


私はバッと顔を上げる。
さっきまであんなに顔を見たくなかった人と初めて視線がぶつかる。


「…り、りい…や。梨伊弥!!」

そこには私の愛しい人が居た。
私は思い切り抱き締める。