「ねぇ一年って早いと思わない?」







「なにいきなり」







「あたしなんかかわった?」






「全然。ていうか一年でそんな変わるもんか?」






「変わるでしょ!365日だよ!?」






「じゃあ俺変わった?」







「んー…」







たしかになにも変わってないかも。



だけど改めてみると
髪の毛の色染めて茶色くしたから、ヤンキーみたいになってるわ。




まぁ、こっちのほうがあたし好きだけどね?






「あんた、イケメンだけど黙ってるとヤンキーみたいだよ」




「は?」




「似合ってるけど、それじゃあ女の子寄ってこなくなっちゃうよ!」






「べつにいいし。俺一途だから」





「お?できたの?」




にやけ顏でシオンの顔を覗き込むと呆れたようにため息をつかれた。







「ちょ」





「ん?」






手招きをされて顔を近づけると




バッコーン!




「いって!…なにすんじゃ!」






思いっきりデコピンをされた。






「ほんと馬鹿なの?俺お前のこと好きって言ってんじゃん」





「え…」




額を抑えながら固まるあたしを無視してシオンは美味しそうにお寿司を食べる。







…そんなこと言われても、なんて言っていいかわかんないよ。








「…ねぇシオン」






「ん?」






「気にならないの?」





「なにが」






「あたしと成瀬がなんで一緒にいないのか」





シオンと仲が戻ってから
彼は一度も成瀬の話には触れてこなかった。




まるで避けるように。






「…気になるけど、べつに急かすつもりはなかったし。話したかったら勝手にしゃべるだろうなとおもったからさ」







「そっか」






シオンの瞳があたしを捉える。