自分の行動の意図が伝わってなくて、

どうしていいか困っていると

茅島が立ち上がった。


手が震えている、

寒いのか?


そんなことを考えていると、

茅島は話し出した。


「今日はもう最悪っ!!

好きな人はクラスの可愛い子に告白されて彼女が出来て

私は結果的に振られちゃって、

泣いてたら雨にも降られちゃってびしょ濡れだし、

その後好きな人に意味無く優しくされて

期待させられて辛いし、

なのに『優しくしないで』って言ったのに

してくるし、そいつ鈍感だし!」


目も顔も真っ赤にして

一生懸命話す茅島を見て、

胸がうずいた。


感情が溢れ出す。


そうだ、

出会った初めは素直でまじめで、

だけど素直なれずにすねるこいつも

まじめな表情を崩していたずらっぽく笑うこいつも

俺が触れるたび嬉しそうに笑うこいつも


全部、好きなんだ。



「空も私の心も、どんよりだよ、もう……」


なんて言って、

茅島は俺に背中を向けた。



ああ、もう、愛しいな。


お互い素直になれなかったけど、

もう俺がちゃんと言わなくちゃな。


……もし、この後、晴れたら――