……やべ、

つい意地悪をしてしまった。


泣き顔も可愛いけど、

そろそろ笑顔が見たいかな。


俺は手を掴んでいたのを放し、

そのまま俺の手を茅島の頭に乗せた。


くしゃくしゃと撫でると、

いつもの感触ではなく、

雨に濡れた髪からは、良い香りがする。


ああ、今こいつがベストを着ていてくれて助かった。


もしシャツ一枚なんて格好をされていたら、

理性が危ないところだ。


なんて考えていると、

手がぱしっと叩かれる。


びっくりして茅島を見ると、

真っ赤な目で俺を見つめる。


「いい加減にしてよぉ……」


ん?何でだ?


なんとも思ってない奴の頭を撫でないと明言した後に

自分の頭が撫でられたんだぞ?


気づけよ!!


告白だろ!!