「どれ。」 「あの黒猫の奴。」 「はいはい。」 チャランという音と共に慣れた手つきでボタンを押す。 「はい、どーぞ。んじゃ、よろしくねー。」 うっわー。嬉しいけどやっぱムカつくー。 一発で取れるとかもっとムカつくー。 なにその軽い感じ。簡単に取れないのにさ。 無駄に集中力高いんだから。 なんでよ。なんで置いてくの。 前は一緒に買い物してくれたじゃん。 なんでぬいぐるみで誤魔化すの。 私はぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。