そして、昼休みがやってくる。
 自由が、茂の体をつつく。

「なにかな?」

 茂は、振り向いて自由にそう尋ねる。

「ふたりでお昼一緒に食べよう?」

 自由は、目を輝かせながらそう言った。
 しかし、それに反しての茂は、冷めてた。

「……ごめんね。
 この時間は友だちと一緒に食べているんだ」

「友だち……?」

 自由が、首を傾げる。

「うん。
 あそこにいる達雄くんと静香ちゃんとみゆきちゃんだよ。
 あと柾くんと一くん」

「え?達雄たちも同じクラスなの?」

 茂の言葉に自由が驚く。

「ん?達雄くんたちのこと知ってるの?」

 茂の言葉に自由は、慌てた様子で首を横に振る。

「うんん。知らない知らない」

「そっか……
 じゃ、僕は――」

 茂が、そこまで言いかけたときみゆきが手を振った。

「自由ちゃんも一緒に食べよー」

 みゆきのそのことばに自由は、驚く。

「え?」

 そして、柾が茂の近くに寄り耳打ちする。

「なにしているんだ。
 折角話しかけてもらったんだからチャンスにしろよな」

「チャンスって……」

「茂くんの童貞脱出大作戦。
 私たちも協力しちゃうわ」

 静香も茂にそっと耳打ちした。

「静香ちゃんまで…‥」

「まぁ、頑張ってね」

 静香がクスリと笑う。
 そして、柾は茂の静香は自由の背中を押していつものたまり場へと向かった。