――数日後。猫ナベ児院。


「――続いてのニュースです」


 リビングにてテレビのニュースが流れる。
 茂は、朝の味噌汁とすすりながらその話を聞き流すようにうなずく。

「このニュース近所じゃね」

 柾が、そう言うと一が静香にうなずく。

「隣町だね」

 一は、たくあんを1枚口に入れご飯も口の中に放り込む。

「なんか、さも当たり前のようにいるけど……
 貴方たちどうしてここにいるの?」

 みゆきが、そう尋ねると達雄がうなずく。

「みゆきにしては、哲学的な質問をするじゃないか。
 人がどうしてそこにいるのか……
 うむ、なかなかの難題だ」

「いや、そこまで深い質問じゃないけど……」

 みゆきが、一歩引く。

「茂が今日、日直だからな。
 その手伝いに来た」

 柾が答える。
 すると百寿が言葉を放つ。

「朝ごはん、食ってきてないのか?」

「食べた。
 だけど、朝ごはんは別腹だ!
 食パン1枚で腹が膨れるかっての」

 柾が、そう言って目指しを一匹口に運ぶ。

「男の子は、元気があっていいですね」

 南が、そう言って紅茶を口に運ぶ。

「って、百寿さんと南さんまでなんでいるの?
 仕事は?」

 みゆきが、驚いた声でいう。

「みゆきいつの間にかツッコミキャラになったんだな」

 百寿が、ニッコリと笑う。

「関西人だからね!
 って、そうじゃなくて……」

「俺らは仕事だ。
 この事件どうやら風舞が絡んでいるらしい」

「風舞……ってあの風舞か?
 この孤児院に一瞬だけ顔を出した……」

 達雄がそう言うと百寿が首を縦に振った。

「ああ……
 その風舞だ」

 その声は低く響いた。