甘い時 〜囚われた心〜

そのまま車を飛ばし、着いたのは最上級ホテルのスイート。

部屋の前にはSPが立っている。

桜華を見て、小型マイクで連絡する。

扉が開くのに時間はかからなかった。

部屋に入った桜華に何かが飛び付いてきた。

「サクラちゃん!」

雛子と同じぐらいの背丈。

明るい茶髪のショートボブの髪。

ギューッと桜華を抱き締める。

「会いたかった!サクラちゃん!」

桜華を見上げる目はキラキラと喜びで輝いている。

「だから…サクラって呼ぶなってば!母さん!」

37才という年齢にまったく見えない。

「だって…ママ、女の子が欲しかったんだもん!なのに…名前ぐらいいいじゃない!」

「逆ギレかよ!」

ブーッと口を膨らまし威嚇する母にため息が出る。

相変わらず化け物じみて若いなぁっと思ってしまう。

見た目、20代前半。

街に出れば、間違いなくナンパに会うだろう。

「サクラちゃん。百合矢君にも挨拶しなきゃ!」

奥の部屋に進むと、大型ソファーにドッカリと座っている百合矢がいた。