「キルジ・・・!イハド・・・!」

目の前に立つ二人の男。それは間違いなく自分の息子のキルジとイハドだった。
だが・・・

「なぜ・・・」

最後に会った時とは違う違和感。それは一目で分かる、知っている人ならすぐ分かる違いだった。それは・・・

「なぜイハドがカリヴォルノフを持っているのだ!?」

キルジに渡した筈のカリヴォルノフは今、イハドの背中に下げられている。

「やっぱり気づかれたねぇ、兄さん」
「当たり前だろう?カリヴォルノフはそこらの剣とは違う、特別な剣なんだからな。」

そういうとキルジは王の前まで歩き、手を差し出してこう言った。

「父さん、俺は強くなった。もう過去の俺とは違う。だからここで一つ誓うよ。」

そういうとキルジはじっと目を見つめ、

「俺は新しい王になる」

次の瞬間、王の顔のすぐ脇になにかが突き刺さった。