ふと周りを見回した時に、私と子供達の人生に伴走するかのように、いつもタクヤが寄り添っている事に気づいた。

もちろん私の心身の苦労の疲れからくる病も、ケイの不登校問題も一進一退で何も変わってはいなかった。

けれど気がつけば八年一緒に並んで生きてきたタクヤの存在をふと考えた。

私も子供もタクヤも、人生は同じように進んでいる。

タクヤもまた私とケイを支えながら年を重ねたのだ。

私は自分とケイだけでなく、タクヤと言う一人の人間の人生に目を向けた。

ヒロを忘れられなかった私が一度は信じて共に人生を歩こうと決意した一人の男の人生だ。

その人の幸せは今どこに向かおうとしているのかを。