私にも変化はあった。

不登校になったケイに、私は何年もかかりっきりになった。

当然未婚出産なんてもう体力気力的にしんどいから、妊娠には気をつけていた。

実際問題ケイに必死でそれどころではなかった。

そしてふと気づけば私の隣にはタクヤがいた。

タクヤと出会い、いつの間にかもう丸8年が過ぎていた。

ヒロを心に抱き、傷に泣き病気に喘ぎ、必死で子供を育てている私の隣にいつもタクヤがいた。

もちろん結婚はしていない。

私とタクヤそれぞれの意思で互いの側にいるのだ。

タクヤは私がもし癌になったり、自分が転勤になれば会社はやめると言う。

仕事人間のタクヤが、その仕事でしか生きていけないと言うタクヤが、私の側にいたいが故にやめると言う。

この前今は普通の優しい母になった私の老いた母や、病気で行方知れずになった故郷の親友の事や、このままのたれ死んだらとか考えていると泣けた。

来ていたタクヤが飛び起きて心配した。

後日理由を言うと、

『変われなくてゴメン。
悲しませてゴメン』

と、言った。

そんな事はない。
タクヤは半分別人のように変わった。

涙の理由を気にする人ではなかったし、謝るとかしなかった。

電話すると自分の時間が減ると怒らずに、喜ぶようになった。

自分が淋しくて、会いたいとやってくるようになった。