今まで悲しみや苦しみや憎しみをくれた人間はたくさんいる。

ヒロもそんな思いを私にくれた。

だけど今までと違うのは、一番愛してくれて、一番愛を示してくれて、私の為に本気で泣いてくれたのはヒロ一人だ。

私も嘘も打算も警戒もなく、無垢な愛をヒロに向けられた。

後にも先にもあんなに私を大切にしてくれた男はヒロ一人しかいない。

愛し合う事に年令とか関係ないと思う。

だけど好きなような選択ができない事は悲しい事だ。

もう少しお互い勇気が持てたなら。

私はヒロ以外に本心をさらけ出せない。

ヒロの嘘も弱さもみんなわかっていて、どうにもできない自分がここにいる。

時の隙間に挟まって、どこへも行けない二人。