私の家には仕事じゃない日に来るだけで、長い休みではない。

「いつでも会えるなんて、私がどれだけケイに淋しい思いをさせて時間を作っていると思ってるの?

私は奥さんでもなければ、生活の面倒をみてもらってるわけでもない。
子供に孤独な思いをさせて、掃除に洗濯に炊事。
それでそんな扱いなの?

やっとの休みこそ、私やケイに負担をかけないで会いに来てくれるものじゃないの!?」

でもタクヤには話が通じなかった。

実家に目に入れても痛くない程、甘やかされ、愛され猫可愛がりされて育ってきたタクヤと私では、育って来た環境から価値観が違い過ぎたのだ。


タクヤは生活こそ自立しているが、中身は全く実家離れしていない人間だったのだ。


タクヤが帰る度音信不通で、そんな休みの時こそ家族団欒したり、ゆっくり過ごしたかった私は受け入れられなかった。

喧嘩も売ったし、別れもふっかけた。

だいたいいつも最大一日の遅刻をし、催促すれば携帯の電源を切り、電話線も抜いてしまうと言う、子供がいて病気でお金もなく身軽に移動できない私に対してタクヤはすごく狡い事をした。

遠距離恋愛を2度した私は、これを一番卑怯な事だと思っている。

心底憎しみと怒りが湧いた。