それだけを言うと、そっぽを向いてしまった。


(…口下手?それとも警戒心の強い人なのかな…)


授業が始まっても、意味不明。

眠くなって、時計をふと見た。


(そういえばいつの日か、窪野さんとこの教室に来たとき。

時計を見て早く終わらないかなって、

そういうの楽しみたいって言ったな…。

こんなの全然楽しくない…)


思い出しつつ、しっかりとノートを書き取った。


(ヤバイ。黒板見えない…)


視力が落ちていることにうんざりしていると。

隣からノートを差し出してくれた。

彼は無言のままだけど。


「ありがとうございます」


小声でお礼を述べる。

ノートを開くと、とても綺麗にとってある。