窪野さんの家に、今日から住むんだ。

私はドキドキしつつも、家に入った。


「…ずるい」

玄関に入ったとき、そう呟いた。

そして少しだけ荒いキスをしてきた。

「…キスを他のヤツとすんな!少しは抵抗しろよ!」


窪野さんが、少しだけ不機嫌だ。

その理由が自分なんて。


「何かちょっと面白いです。窪野さんが、私が原因で困ってるなんて」

「え、ちょっと待って。あゆちゃんドS…??」

「さぁ。私は単語力はないので」

「…ドSだな。これは」

「何だっていいでしょう。明日から私は学校なんですよ」

「俺もなんだけど」

「寝ましょう」

「はーい」


窪野さんは、何でも受け止めてくれる人だ。

それが少しだけ落ち着いた。