「なぁ、あゆみ」

「ん」

藍が私を呼んだ。

リビングはテレビがついていて、藍の視線もテレビに向いたまま。

「お前、そらが好きなのか」

「何で?」

「何となく。男の勘」

「分かんない。お兄ちゃんみたいだなって」

「…そか」

藍にはまだ、聞かないでおこう。

何で私を引き取ったとき、ホスト界で1位だと嘘をついたのか。

私は所詮、1位に引き取られる運命だったのか。

それはよく分からないけど。

「藍、もう寝よう」

「あぁ。そうだな」

お布団に入ると、藍ものそっと入ってきた。

「…抱きしめていいか」

「うん」

藍は何だか、弟みたい。

そうふと思ってしまった。