意識が段々、薄れていく。
どうしよう。
このままだと…。本当に私…。
まだ結婚して1週間も経っていないのに。
そらとの結婚記念日を過ごせたら、どんなに幸せかいつも想像していた。
大きなケーキを2人で見つめて。
その間に小さな子供がいて。
家族皆で笑いあう光景を。
それを夢見ていた―…。
「おいっ!あゆみ!!しっかりしろよ!」
(そら…どこにいるの?)
「彼女はもう、目も見えなければ話すことも出来ない状態なんです…。
残念ですが、最後に寄り添ってください」
(残念…?何…それ…。私はまだ、意識あるよ…)
そらが手のひらを握っても、私の身体は動いてくれない。