あゆみが起きることはなく、俺は家に帰らなかった。 今日は離れたくなかったのだ。 毛布を渡されて、1夜を過ごすことに。 お兄さんは仕事ですぐ帰ってしまった。 「そら…」 「…?」 声がして起き上がると、あゆみは起き上がって窓の外を見ていた。 「あゆみ?」 「そら。ずっといてくれたんだね」 「あぁ」 窓から見える月がとても綺麗だった。 「そら、ありがとう」 「改まって言うなよ…」