「あゆみ…」 俺にとってあゆみがいなくなるのは、死んだも同然なんだ。 あゆみも同じなんだろうか。 人を失うのが、こんなにも怖いなんて。 それは俺自身が孤独になるから、怖いんじゃない。 あゆみっていう人が、傍から消えるのが怖い。 「お願いだから生きてくれよ…」 用意された椅子に座って、布団にうつ伏せた。 「…俺もお前と一緒に行けたらいいのにな…」 つい本音が出てしまったが、何の後悔もなかった。 ただ虚しさだけで、あゆみを見つめた。 柔らかい頬は少しだけ赤く染まっていた。