―そら Story―
「あゆみが…??」
俺とお兄さんで、医者の言葉を疑った。
別室で話をすると深刻さが増していく。
「彼女の身体は限界に近いの。いつ死ぬか分からないわ。
それに薬を打つと、子供が危険なの…。
だからあの子はこれから、痛みと死に耐えなければならない。
子供を産む、後10ヶ月を…」
「まだ10月も…」
「不可能に近いでしょう?それでも…もし、あゆみちゃんが死んでしまったら。
お腹の子供は、人工呼吸器っていうのに入れられるの。
それで命を繋ぎとめて、栄養を送って…。
とにかく10ヶ月経つまで、命を繋いでおく可能性はあるのよ」

