「…はい」

「…ていうのは嘘。

俺はな?せっかく1人暮らし出来たのに、
お前のせいで台無しだ。


だから家事は全部しろ。

命令だ。

逆らうなよ?」

驚くことに、オオカミに変身した。
声を出さずに、頷いた。

「返事しろ、つぅか。お前って喋らないからさー…。

犬でも猫でもないし…。
あー、ウサギみてぇ」

「…ウサギ?」
「そうだ」
「…はぁ」

適当に返事をして、少しだけ男と距離を置いた。

「おい、お前さぁ。俺の事を藍って呼び捨てで呼べ。
いいな?」

「…それは出来ません」
「何で?」
「失礼なんで…」

突然、近くにあったテーブルを叩いた。
バンッと大きく響いた音。
自然と肩が震えた。

「…びびんな。呼び捨てにしてくれたほうが、親身的なんだよ」