指差したその先は―…。 「え。お兄ちゃん…?!」 「そうみたいね。私も驚いたわぁ。 それにさっき喋ったらね、あゆみちゃんのことをよろしくって。 やっぱり彼はカッコいいわね」 「自慢のお兄ちゃんですよ」 そらはそれを静かに聞いていた。 香奈枝さんが去っていくと。 「運命ってあるんだな」 「運命?」 「1回しか出会わないはずが、こういう場でもう1度めぐり合える。 そういうのって偶然とは思えないな」