そらの笑顔を見て、藍に手のひらを見せる。 「そろそろだね」 「おう。何だよ、いつもは澄ました顔してるくせに緊張してんの?」 「…少しだけだよ」 「何かあったら言えよ」 「うん。大丈夫」 「じゃあ行くか。そらはもう向こうで待ってる」 「そうだね」 藍が手のひらを握り締めてくれた。 それに安堵の息を漏らす。 ドア前に立つと、やっぱり震えた。 1年前までは、本当に結婚なんてありえないと思っていた。