私が言うと、夕美が泣きそうな顔をした。



約1ヶ月。

酷い頭痛と吐き気に耐えるのは大変だった。



藍も珍しく慌てたことがあった。

それは妊娠しているせいか、目覚めが危険だということ。


どんなに呼びかけても、全く反応しないみたいで藍は酷く心配したみたい。

私自身も呼ばれている気配を感じない。




「…あゆみ。綺麗だぞ」



藍がそういって、ブーケをくれた。

お父さんの変わりにバージンロードを歩くのは、藍の役目となった。

それを藍自身が引き入れてくれたのは、嬉しかった。



「…藍のほうこそ、スーツ似合ってる」


「そうだろ?」



自信満々の顔で微笑んでくれた。