「うん。じゃあね」 「行ってらっしゃい」 昔のように、お買い物の時とか手を振って見送ってくれた。 そんな久しいお兄ちゃんの姿に感動しつつ、学校へ。 「藍は通わないの?」 「…俺はまだ金がない。というか、学校つまんないし」 「楽しいのに」 「まぁ、お前とはいつでも会えるからいいし」 「そか」 「じゃあ行ってきな」 「うん」 生徒玄関を通って、教室に足を運ぶ。 靴箱に、上履きを取ったり。 廊下を急いで走ったり。 ただそれだけがとても新鮮だった。