それだけを言って、彼女は消えた。 可愛い、自分の子供。 そりゃそらと離れるのは寂しい。 だけど。 この子供のため。 そらの将来のためなんだ。 「…そら。ごめんね、勝手な私で」 泣きそうになるのを抑えて、夢の世界が消える。 そしてただ眠って、気づいたら家のベッドにいた。 時計を見ると、10時だった。 だけどリビングから料理をする音がした。