寂しそうに呟いて、私を見つめた。 「貴方のその真剣な眼差しが、彼とかぶるのよ。 …じゃあ薬。 安定剤とかある?」 「はい。あります」 「…まだお腹に宿ったばかりだから、いつ消え去るか分からないわ。 安静にしてね」 「はい」 「それじゃあ、またね」 「香奈枝さん、またお願いします」 病室を出ると、ケータイを見つめた藍がいた。 「藍」 「お。どうだった?」 「いるって…まだ宿ったばかりなんだよ」 「産む気か?」