藍が私を抱き上げた。



「ちょいっ、外の風浴びてくるわ!あゆみ攫ってく」


「はぁ!?ちょっ」



そらが言うのを差し押さえて、藍はどこかへと私を連れて行った。




それは京都の病院だった。

それも産婦人科。



「何でこんなとこ知ってるの…??」



「京都は親父の仕事都合でよくきたんだ。母さんがここで、俺の妹を産むために来たんだ。だけど残念ながら流産した…」


「そんな……」



「あゆみの腹ン中に、赤ん坊いんなら相当やべぇ」


「え…??」


「余命宣告されてるヤツが、赤ん坊産めるわけねぇだろっ」