料理が運ばれると、妙に張り詰めていた空気もなくなった。 初めて見るような料理。 どれもかも凄い。 お肉とか、高級そうだし。 スープだって他では、見たことのない色だった。 「そら。熱いから、冷ましておいてね」 「おう。じゃあスープ飲んどく?」 「うん」 温かいスープを口に運ぶ。 一瞬で身体が温まる。 「美味しい」 「だよねぇ、行き慣れていてもやっぱ高級が一番ね」 「何その嫌味は」 桃乃の言葉に、少しだけ不機嫌になる春。