「だから…藍が一番信頼できるの?」
「そうですね」
「俺は?」
「何だか、今日会ったばかりなのに、落ち着きます」
「そか、よかった」
ウサギのお菓子を開けて、1口頬張る。
「美味しいでふよ」
「どれ、うん。美味しいね」
「はい。何だか窪野さんは本当にお兄ちゃんみたいです。
2人も兄がいるなんて、私は幸せ者ですね」
「キミは、ポジティブだねぇ。ま、そんだけ強かったらそれもそうか」
外を眺めると、田舎の風景から都会へと変わっていく。
「俺は義理の母親に育てられたんだ。
俺も両親のいない世界で、育ったよ」
「そうなんですか、両親がいないと不思議じゃないですか?
普段は両親の後ろにいたのに、血が繋がらない人といると、自分がどんどん強くなってく気がするんです」
(本当に、窪野さんは聞き上手なんだなぁ…)
そう思いながら、話を続けていった。