そこには、窪野さんが椅子に座っていて、ベッドに顔を伏せていた。
凄く泣きはらしているけど、
ゆっくりと眠っていた。
私の右手をきゅっと握り締めていた。
「…よく寝た…」
近くにあった、ひざ掛けを窪野さんにかけると。
「ん…」
少しうなって、目を開けた。
「おはよ…」
窪野さんはそう呟いて、起き上がった。
目を少しだけこすって、私を見つめた。
「具合はどう?」
「いい感じ」
「じゃあさ、学校に行ってみよう?今日はプール開催日で、自由参加なんだ。
見るだけでもいいから行こう?」
「…入っちゃ駄目?」
「いいでしょう。無理をしない程度なら。ちゃんとあがった後は、
体を温めることと休めることを守るなら」