「ん?」

窪野さんが私を抱きしめたまま。

「俺、もっと強くなるから」


それだけを言って、言葉が消えていく。

「…十分強いけど。うん。頑張ってね」

微かに震えていた。

窪野さんが何で、こんなにも追い詰めているのか。

それは何となく分かった。



放課後―…。



「…委員会の仕事行こう」

「そうだね」


窪野さんに苦しめる思いさせるなら。

そんな人がいるくらいなら。

私は許さない。


それはお兄ちゃんも言われた言葉だ。

許していいことなんて、何一つないんだと。