「ありがとうございます」

「礼なんて、いらねぇよ。お互い様だろ?

お前があゆみを貰ってくれるって聞いた日は、

嬉しかったよ。本当に」

「…はい」

「あん時も、今も。カッコいいぜ。十分」


お兄さんが本当に、

俺の救世主だ。


「藍にもお礼言わなきゃですね」

「はは。藍はお礼を言われるのに慣れてないからなぁ」

皆、弱いところはある。

だけど強いところだって、ちゃんとあるんだな。


なんてふと思えた。


「さーて。俺は仕事に戻るか…」

「じゃあ、また今晩にでも」

「あぁ。そうだな。あゆみを頼んだぞ」

「はい!」

「じゃあな」